2009年12月5日土曜日
左手だけの演奏~
先月 東京でレオン・フライシャー氏の感動的なピアノコンサートが開かれました。
アメリカ生まれの彼は今81歳! 幼いころからピアノを始め、16歳からニューヨーク・フィルをはじめ、大物指揮者との共演が続き、「100年に一人の天才」と言われていました。
ところが36歳のとき、手にけがをしたのをきっかけに、ピアノに向った時だけ右手の指が動かなくなってしまいました。
原因は?~~調べても分かりませんでしたが、30年以上たって《ジストニア》という病気だと分かりました。練習しすぎた時に起こる、心因性のものだということです。
その間彼は音楽学校で教えたり、指揮者をしたりして過ごしていましたが、毎日ピアノの前に座ることは欠かしませんでした。
突然動かなくなったんだから、この右手も又突然動きだすに違いない~~と信じていたんです。
それまでは左手用の曲だけを弾いていたんですが、10年前、本当に右手が動くようになりました。
東京のコンサートに来てくれた人達は、こうした事情を皆知っているんですね。 左手だけの曲も、両手の曲も、81歳という年には思えないほどのしっかりした美しい演奏で~~ その上感情が十分に伝わってくる素晴らしいものでした。
どんなことがあっても希望を捨ててはいけない!! この言葉を実践して見せてくれた人です。
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